家計か子どもか――。中絶よぎった「3人目」世帯年収1200万円でも自転車操業 子育て世代の不安 [煮卵★]
家計か子どもか――。中絶よぎった「3人目」世帯年収1200万円でも自転車操業 子育て世代の不安 [煮卵★]
【堀菜菜子、塩田彩】
◼3人目 不安と決断
アイさんの計画外の妊娠が判明したのは、2番目の子の小学校入学式を終えてほっとした頃だった。
当時40歳。上の子2人は小学生だった。1番目の子は勉強が得意で、私立中学の受験も視野に入れていた。
子どもたちが希望する進路をかなえるためには、今後ますます教育費や生活費がかかる。高齢出産の不安に加え、今後の教育費や生活費など、子育てに伴う経済的な負担への不安が重くのしかかった。
アイさんは大学卒業後、正社員として勤めていたが、第1子出産を機に退職。夫の転勤に伴い、縁がなかった関東地方へ転居した。
上場企業に勤務する夫は早朝から夜遅くまで働きづめだ。出張も多く、遠方に住む両親も頼れない。
家事と育児を一手に引き受ける中で、将来の子どもたちの学費を見据え、再び働きたいと考えていた。3人目の妊娠判明は、その矢先のことだった。
もし出産すれば、当面は働くことは難しくなる。何より3人分の教育費をどうやって捻出するのか――。
「すでにいる子どもたちを育て上げなければ」。出した結論は、中絶だった。産んでほしいと望んだ夫を説得し、手術の予約を入れた。
◼「引き返せますか?」
その当日、子どもたちには「お友達と会ってくるから、パパと待っていてね」と告げて病院へ向かった。
でも、その道すがら、事前の検査で目にした胎児のエコーの写真や心拍が心から離れない。2人の子どもが赤ちゃんだった頃の記憶もよみがえった。
病院の玄関先で夫と電話で話し合い、助産師に尋ねた。
「もし気持ちが変わったら、まだ引き返せますか?」
結局、手術は受けなかった。
無事に生まれた3人目の子どもは、現在小学生だ。
産んだことに後悔はない。しかし、あの時に不安を抱いた経済的な負担は、予想通りに重くなった。
◼金額だけなら「上位1割」
2024年のアイさん一家の世帯収入は、夫の収入を中心に約1200万円。金額だけで見ると日本で上位1割に入る高収入層だが、世帯構成や住む地域では、その意味合いは大きく変わる。
さまざまある公的支援は、所得制限がかかることがほとんど。配偶者控除は適用されず、昨年までは児童手当も減額されていた。長子が高校生の時には、高校授業料の無償化制度も対象外だった。
アイさんは打ち明ける。「世間から見たら余裕があると思われるかもしれませんが、実際の生活は自転車操業です」
収入から引かれる所得税や社会保険料などの金額は大きく、差し引いた24年の手取りは800万円台になる。
住宅のローン、地方の大学へ通う長子への仕送り、夫の小遣いや出張先での食事代などを引くと、アイさんが家計に使えるお金は月20万円台だ。そこから、子どもの塾代や光熱費、家族4人分の食費などを支払う。
続きは↓
https://news.yahoo.co.jp/articles/011a9a8133f1d087c52857b4b12754f2e57debb4
[毎日新聞]
2025/7/6(日) 17:00
下の子小学生になったならパート出来るでしょ
月10万プラスになるんだから余裕出るわよ